こんにちは!
アンリのイギリス英語の管理人、アンリです。
前回は、アンリ流の英語の多読を始めるために、Graded readersのレベルや、自分に合ったレベルのGraded readersの見つけ方についてお話ししました。
今回は、Graded readersなどの英語の本のレベルを表す際によく使われる、
- CEFR(セファール)
- YL(読みやすさレベル)
- Lexile(レクサイル)
についてお話しします。
CEFR(セファール)ってなに?
「CEFR(セファール)」は、外国語のスキル(運用能力)を同じ基準で測るために作られた、国際的なものさしです。
正式には「ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages)」といいますが、長いのでCEFR(セファール)と略して使われています。
英語だけではなくスペイン語やフランス語など、さまざまな言語にCEFR(セファール)は取り入れられています。
おもにヨーロッパで使用されています。
最近では、ヨーロッパ以外の国々でも認知度が高まってきていて、日本語教育にも取り入れられています。
CEFR(セファール)のものさしで分かる、英語のレベルについて
ブリティッシュ・カウンシルのホームページで、A1からC2までの各レベルの概要が説明されていますので紹介します。
正式に規定されていないのでここには載っていませんが、A1に達しないレベルについては、「Pre-A1」や「A1⁻」と表示されます。
CEFR(セファール)と英語の試験のレベルの関係
では次に、CEFR(セファール)と、日本人がよく受ける英語の試験のレベルを表で比べてみましょう。
レベル | CEFR | TOEIC | IELTS | TOEFL iBT | 英検 |
Begginer 入門 |
- | - | - | - | 5級~ |
Elementary 初級 |
A1 | 0~200 | 1.0~2.0 | 8~23 | ~3級 |
Pre-Intermediate 初中級 |
A2 | 200~500 | 2.5~3.0 | 24~56 | 準2級 |
Intermediate 中級 |
B1 | 500~750 | 3.5~4.5 | 57~86 | 2級 |
Upper-Intermediate 中上級 |
B2 | 750~850 | 5.0~6.0 | 87~109 | 準1級 |
Advanced 上級 |
C1 | 850~900 | 6.0~7.0 | 110~120 | 1級 |
C2 | 905~990 | 7.5~9.0 | - | - |
Begginer(入門)は正式に規定されていないので「-」になっていますが、先ほどお話しした「Pre-A1」や「A1⁻」がここに該当します。
日本人の平均的なCEFR(セファール)のレベルはどれ?
国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が発表した、日本人のTOEIC Listening & Reading Test の平均スコアは561点です。
44の国と地域からなるランキングで、日本は上から34番目、下から11番目でした。
スピーキングとライティングを含んでいないので同等に比較することはできませんが、ざっくり比較すると、日本人のCEFRの平均はB1レベルになります。
自分のCEFR(セファール)レベルをテストで確認してみよう!
ケンブリッジ大学出版のホームページにあるCEFR(セファール)のレベルチェックテストで、自分のレベルを確認することができます。
このレベルチェックテストは、ケンブリッジ英語検定用のものですが、問題の解答を終えるとCEFRのレベルが表示されます。
CEFR(セファール)のレベルの確認が目的なので、試験の目的は「General English」でよいと思います。
25問の選択式の問題が出題され、無料でテストを受けられます。
解説はありませんが、問題文と自分の解答、正しい答えが表示されるので、どの問題を間違えたか見直すこともできます。
よかったら、あなたも自分のCEFR(セファール)のレベルを確認をしてみてください。
YL(読みやすさレベル)ってなに?
YL(読みやすさレベル)は、SSS英語学習法研究会が日本人向けに独自に定めた、洋書のレベルの基準です。
つまり、英語の多読をする日本人学習者のために作られたものさしです。
数字が大きくなるごとに難易度が上がっていきます。
下の表の難易度がYLにあたります。
本のYL(読みやすさレベル)の確認方法
SSS書評検索システムで確認する
著者やタイトルで本の検索をしたい場合は、SSS書評検索システムが便利です。
「簡易検索」に著者名や本のタイトルなどのキーワードを入力すると、本のレベルや総語数などがリスト形式で表示されます。
多読をしている人が個人的にレベルを付けているので、若干のばらつきはあります。
私も利用していますが、多読をする本を選ぶのに、さほど支障はないです。
日本多読学会のリストを使って確認する
日本多読学会が作成した「2022 多読図書YL・語数リスト」が、PDFで公開されています。
レベルや総語彙数、面白さなどもリストに掲載されています。
ボリュームがすごいので、PCの方が検索もできて使いやすいと思います。
Googleで検索する
やっぱり、困ったときはコレですね!
Googleで検索する!
検索キーワードに、書籍名と「YL」を入力して検索することで、多くの洋書のYL(読みやすさレベル)を確認することができます。
個人的にレベル付けしているものもありますが、図書館で作成しているリストが検索結果に出てくることもあります。
図書館のリストは、とても参考になります。
Lexile(レクサイル)ってなに?
Lexile(レクサイル)は、英語の読解力と文章の難易度を示す指標のことです。
正式には、Lexile Measure(レクサイル指数)と言います。
アメリカのMetaMetrics社が開発しました。
世界165カ国以上で利用されています。
アメリカの学校では、学力テストでLexile(レクサイル)指数が測定されます。
CEFR(セファール)やYL(読みやすさレベル)は英語学習者向けの指標ですが、Lexile(レクサイル)は英語ネイティブ向けに作られています。
日本人が多読をするために洋書のレベルを確認するのであれば、Lexile(レクサイル)よりもYLを参考にした方が良いでしょう。
Lexileのレベルについて
Lexile(レクサイル)のレベルは、0Lから2000Lまであります。
絵本などの0Lより下のレベルには、BR(Beginning Reader)がアタマに付きます。
Lexile(レクサイル)とアメリカの学年の関係
アメリカの学年とLexile(レクサイル)の関係を見てみましょう。
アメリカでは、Grade 1~5が小学生で、Grade 6~8が中学生、Grade 9~12が高校生です。
アメリカの学年と日本の学年の比較
アメリカの小学校は、日本よりも1年早く卒業して中学校に入学します。
アメリカの学年と日本の学年の違いは、下の表の通りです。
アメリカの学年 | 日本の学年 | 年齢 |
Grade 1 (小学校1年) | 小学校 1年 | 6~7 |
Grade 2 (小学校2年) | 小学校 2年 | 7~8 |
Grade 3 (小学校3年) | 小学校 3年 | 8~9 |
Grade 4 (小学校4年) | 小学校 4年 | 9~10 |
Grade 5 (小学校5年) | 小学校 5年 | 10~11 |
Grade 6 (中学校1年) | 小学校 6年 | 11~12 |
Grade 7 (中学校2年) | 中学校 1年 | 12~13 |
Grade 8 (中学校3年) | 中学校 2年 | 13~14 |
Grade 9 (高校1年) | 中学校 3年 | 14~15 |
Grade 10(高校2年) | 高校 1年 | 15~16 |
Grade 11(高校3年) | 高校 2年 | 16~17 |
Grade 12(高校4年) | 高校 3年 | 17~18 |
自分のLexile(レクサイル)レベルの確認方法
自分のLexileレベルを確認する方法は、おおまかに3つあります。
CEFR(セファール)をもとにして確認する
自分のCEFR(セファール)のレベルを確認して、それに合うLexile(レクサイル)のレベルを見つけることができます。
CEFR(セファール)と英語の試験の関係の表や、ケンブリッジ大学出版のホームページでできるCEFR(セファール)のレベルチェックテストで、自分のCEFRレベルを確認でします。
CEFR(セファール)が分かれば、前回の記事に載せた英語のレベルとおもなGraded readersのレベルの関係表で、CEFR(セファール)レベルに対応するLexile(レクサイル)のレベルを確認することができます。
Amazonのサンプルを活用
Lexile(レクサイル)のホームページで確認する
Lexile(レクサイル)のホームページで検索することができます。
ページ上部にある「Quick Search」に作家の名前や本のタイトルを入力し、「Enter」を押すと検索結果が表示されます。
Find A Book | Lexile & Quantile Hub
検索結果はLexile(レクサイル)のレベル順や出版日の新しいもの順など、表示を切り替えることができるので便利です。
Find A Book | Lexile & Quantile Hub
Lexile(レクサイル)は英語のネイティブ向けなので、最終手段にしています。
YL(読みやすさレベル)などで読みたい本のレベルを確認できないときに、このサイトでLexile(レクサイル)のレベルを確認しています!
まとめ
今回は、Graded readersなどの英語の本のレベルを表す際によく使われる、
- CEFR(セファール)
- YL(読みやすさレベル)
- Lexile(レクサイル)
についてお話ししてきました。
簡単にまとめると、次の通りです。
- CEFR(セファール)は、おもにヨーロッパで使われる英語のレベルを示すものさし
- YL(読みやすさレベル)は、日本で作られた、日本人が英語の多読をするための指標として作られたもの
- Lexile(レクサイル)は、アメリカのネイティブの小学校~高校の生徒向けに作られた、学力テストで利用されるものさし
バラバラの指標ですが、CEFR(セファール)のレベルが分かれば、前回の記事を参考にして、ほかの指標のレベルを確認することができます。
よかったら、CEFR(セファール)などのレベルを確認してみては?
Seeya!
またね~